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最近の津原

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 6月24日(水)07時47分3秒
  “KAWADE道の手帖”叢書から、『尾崎翠 モダンガアルの偏愛』が上梓されました。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309740287
 僕は短文を提供したに過ぎませんが、冷静な尾崎観を書き得たかなと思っています。ともあれ資料性の高い良書です。
 そういえば『第七官界彷徨』がまた何処かから出ると編輯者に聞きましたが、何処だったっけ。個人的には「尾崎は旧仮名で」と考えているので、そう願います。

『超弦領域 年刊日本SF傑作選』大森望/日下三蔵編に、雑誌発表のみの短篇「土の枕」が収録されました。
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488734022
 SFとして評価されるとは夢にも思いませんでした。作家の自己評価は滅多にアテになりませんが、ともあれ今の僕は、自分がこの仕事に就いて生んだ、最良のものだと感じています。こういう小説がいちばん好きでもあります。

 それはそうと、そこの君、そしてそちらの君、知ってたか? 創元SF短編賞だって。
http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/

 河出書房新社「文藝」次号に、桐野夏生『IN』の書評を書きました。
 過去の作家に対する論評はいくつも発表してきましたが、こういうリアルタイムな書評は初めてです。今後も同様の仕事を受けるかどうかは、わかりません。
 

活動報告

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 6月 4日(木)14時56分3秒
編集済
  ■『ルピナス探偵団の当惑』韓国版が出版されました。ハングルが扱えないので殆ど情報を呈示できないんですが、BOOKHOLICという版元(レーベル?)から。11,000ウォンの洒落た軽装です。お読みになれる方は是非。
 近日、『蘆屋家の崩壊』の韓国版も発売になります。Black Whiteという叢書で、こちらは10,000ウォン。『アッシャー家の崩壊(没落)』のもじりだというのを示したいが、「没落」が韓国ではたいへんネガティヴに響くため、『蘆屋家の伝説』となさった、とのこと。
 繊細な美人画のカヴァーが手許に届いておりますが、詳細はまったく分かりません。公式サイトも検出できず、どなたが情報をくださると幸甚です。
 なかなか興味深い、既刊ラインナップを列挙しておきますと、『強運の持ち主』『ダーク』『ユージニア』『ルパンの消息』『自転車少年期』『翼はいつまでも』『四畳半神話大系』『慟哭』『そして夜は甦る』『象と耳鳴り』『警官の血』『夕子ちゃんの近道』『まひるの月を追いかけて』。近刊として『顔に降りかかる雨』と『巷説百物語』の連作、そして『告白』。日本でのジャンル分けに慣らされた目にはまるでごった煮ですが、読者の立場からすればきわめて順当という気もします。

■私事によりペースが怪しくなっていた『琉璃玉の耳輪』ですが、数日前に更新されております。
http://www.basilico.co.jp/basilicobasilico/tsuhara/index.html
 遂に「冬」の章。大詰めであります。

■webミステリーズ!の明日更新ぶんに、〈也寸美くん〉シリーズの最新作が二本立てで掲載されます。「インタビュウ」「也寸美くん名演技」。無料ですのでお気軽にお立ち寄りください。
http://www.webmysteries.jp/

■『夢幻泡影』……「バレエ・メカニック」と云ったほうが通じやすいかな? 完結に向けて動いております。意外と早いかも(根拠:催促)。

■既発表事項ですが、文庫版『赤い竪琴』『ブラバン』、今年中です。
 

長文注意

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 5月 6日(水)07時34分33秒
編集済
   公式サイト【aquapolis】再構築の話が前々から進んでいるのですが進んでおらず(悪文)、更新方法を忘れぬうちにとまた自力更新。Mac OSXでは以前の楽々ソフトが使えなくて、とことことHTMLの手打ちであります。
【新着情報】にやっとこさ、『たまさか人形堂物語』の紹介がアップされました。Amazonではなくbk1にリンクするメリットはべつに無いのですが、書店をご紹介するのが筋であろうと感じるのと、それにアイコンが好きなもので。

 最近、執筆以外のときラジオをよく聴きます。インターネットラジオではなく普通の民放FM。貰った、防災用の小さなやつを試用していたら面白くなって、三十年ぶりに熱心な聴取者と化しています。
 感じるのは、ラジオは決して「画の無いテレビ」ではなく、別次元のメディアだということ。テレビがちゃかちゃかと細切れなのに対して、連続感がある。かかる音楽も当然ながら洗練されています。音だけだからね。こう云っちゃなんですが、下手くそ率が圧倒的に低い。画でごまかせないぶん。
 聴取者からの投稿は、時代を反映してインターネット経由。気軽なぶん葉書時代のレヴェルは望めず、この点は残念。

 アコースティックギターを左手のハンマリングで弾きながら、ボディを叩いたり、弦を右手で叩いてハーモニクスを出したりで、一度にたくさんの音を出す奏法は、僕の認識によればマイケル・ヘッジスの発明品(少なくとも奏法として確立したのは彼)です。今はおおぜい居ますね。多すぎるほど。
 DJ(いいなあ、この響き)がそれを指して「二人羽織的奏法」と称したのが、ちと気になりました。思えばチェット・アトキンス(低音でベースラインを弾きながら高音でメロディ弾き。ギャロッピングという)も、よくそう云われていました。
 言葉の話の続きなんですが、二人羽織というのは二人で一つのことをするのだから、逆では? 一人が分裂するのはドッペルゲンガーでは。ま、些細なことだけど。

 とまれ初めてヘッジスの演奏を生で見たときは、肝を抜かれたものです。なにを演っているんだか全く分からなかった。最初の一曲が終わったとき、隣席のバブル肩幅な女性が、溜息まじりに「かっこいい……」と呟きました。
 それなりに情報が出回るようになってからはコピーしたりもしましたが、自分で演るとなんだか気が抜けているというか、やっぱりヘッジスという稀代のパフォーマーが、発明の喜びを背負って演るからかっこよかったんだと思うに至った次第。
 絶滅寸前奏法であるギャロッピングは逆に、エクササイズとして地道に弾いてきたのが良かったのか、だいぶ身についてきて、ひょいとギターを構えたらまずそれという感じです最近。この奏法もヘッジス奏法と同等、いやそれ以上の魔力を秘めて、奥深いもんです。YouTubeで〈Mr. Sandman〉をご覧なさい。検索すればすぐに出てきます。これが僕の大好きなアトキンスです。かっこいいでしょう。Mr. Guitarと呼ばれた唯一の男です。
 僕は子供のころビートルズの変形3フィンガー奏法を身につけてしまったので、その癖を抜くのが最大の関門でした。あと親指ピックが苦手なんですよ。これはもう諦めかけている。エレキベースはけっこうそれで弾いてたんですけどね。指弾きとピック弾きを簡単に使い分けられるから。

 音楽の話題ついでに。
 Brinsley Schwarz(ブリンズリー・シュウォーツ)の2 in 1 CDが、湯水のように入手できる事態となっております。“西ウェールズの銀狐”ことニック・ロウが若き日に在籍したバンドで、我がラヂオデパートが標榜するパブ・ロックの始祖。ラヂデパにはジャズや印象派やラテンが入り込んでおりますが、これは日本人である僕らの音楽環境の、正直な反映なのです。歌謡曲ってそうでしょう?
 シュウォーツにはカントリーが大きく影響しています。しかしあくまで英国人。スワンプ志向のビートルズ最後期と比べたら、よほどビートルズっぽいと申しますか、とにかく洗練されている(むさいルックスはともかく)。そして常に軽妙。
 かつまたロウの作曲能力と声の魅力は、ビートルズやニール・ヤングに匹敵します。『Nervous On The Road』と『The New Favourites Of...』の組み盤だけでも、騙されたと思って買ってみてください。騙してないから。あの超名曲のオリジナルも聴けます。
 津原が薦めるなら、とジョナサン・キャロルや佐々木丸美を買ってくださった、そして「面白いじゃん」と感じてくださった皆さん、次はシュウォーツです。あ、耽美なお部屋には似合わないからね。ちゃんと使われていて適度に汚いキッチンなんかにお薦めかな。掃除しながらとか。

 てなわけで(思い出した)久々にライヴを演ります。若手中心の日だそうです。俺たちが出ていいのか?
 せめて派手にやりますか。出演時間は追って告知します。

【5/19 渋谷屋根裏(渋谷)】03-3477-6969
http://shibuya-yaneura.com/
 日時:2009年5月19日(火)
 前売券:2,000円  当日券: 2,300円
 対バン:APES(from宇都宮)/fifth/桃色芸車/The Ray Bans
※OPEN 18:00/START 18:30
 

もう我慢がならん!

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 5月 1日(金)07時52分22秒
   お久し振りです。ま、言葉の話なんですが、実際のところまったく深刻な話題ではありません。過激な題をつけてみたかった。すでに反省している。

 出版物に「黒一点」という表現を立て続けに見かけました。女性のなかに男性が一人という意味らしい。気持ちはわかる。が。
 紅一点というのは、万緑叢中(ばんりょくそうちゅう)紅一点という言葉の後半であります。一面の緑のなかに、ぽつりと紅い花が咲いている光景。要するに「目立つ」とか「異彩を放っている」という意味。
 だから「紅一点のごときは天草四郎である」で良いのです。櫻井翔でも。
 百歩譲っても、地味なやつが一人という意味を込めての、緑一点じゃなかろうか。なぜ黒が出てきたんでしょう? 赤と黒……スタンダール?

「御都合主義」の濫用も気になります。
 これはほぼ日和見と同義で、昨日は自民党万歳だったのに今日は民主党万歳、なんて態度をからかった言葉。長寿連載の漫画が、いつしか本来のテーマ性を見失い、あららラブコメになっちゃった、なんて場合にはその批判に使えなくもないでしょう。
 しかし「主人公に(作家に)とって都合のよい展開」と御都合主義とは、都合の二文字が合致しているだけです。書評に「かくかくの御都合主義はいただけない」と見ては、なにあの作家が執筆中にそんな変節を、と誤解をかさねてきた次第ですが、僕にそう非があるとも思えない。
 自戒もこめて書いておりますが、世人を説得するための文章で、下手なタームは持ち出さないほうがよいです。なんで「助っ人が現れるのではなく、自力で解決してほしかった」とか普通に書かないかな。

 僕も誤記誤用には事欠かない人間なので、べつに「ふいんき」と聞いてすら気にならないんですが(若い女の子限定)、高学歴者のつどう大手商業出版で流石にこれはどうかという二例のみ、いかに辞書が引かれていないかの証左として。
 

ドービニィの庭で

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 4月 1日(水)05時17分41秒
  《ドービニーの庭》というのが、ゴッホ作品の、通常の表記です。

 僕は余程の必要がないことには自作を読みません。「あそこを直さなきゃ」という意識をもち続けていないかぎり、単行本化においても文庫化においても、編輯者や校閲者が提示してくる疑問点に、応じて筆を入れる/入れないのみです。
『綺譚集』所収の「ドービニィの庭で」は、順番としては『妖都』のすぐあとに書いた思い出ぶかい作品ですが、ついさっきまで、十年以上、読み返していませんでした。
 読み返した感想? 良かったですよ。好きだった。代表作かも。
『妖都』にせよ『トレチア』にせよ、この「ドービニィ」にせよ、執筆当初はいささか時代とずれているのか、叩かれたり(意図的に)無視されたりが多く、そういったこともあって、僕は自作を読み返さないのかもしれません。

 バーゼル版には描かれている黒猫が、ひろしま版では(絶対に他人の手で)塗り込められているというのは、アカデミックな世界では常識だったんでしょうが、単純にひろしま美術館に通いつめていただけの津原少年にとっては、天地がひっくり返るような個人的発見でした。近年、X線で黒猫が発見されたとのことで、しかし、なんで近年まで確認しなかったんでしょう?
 画面拡張についての推理は、未だ見聞したことがありません。ゴッホといい槐多といい、ちょっとした作業で明らかになる事実が、あえて伏せられているようなふしすらあります。ちなみに「音の連続と無窮変奏(槐多カプリチオ)」執筆に際し僕がおこなった作業は、日記の精査と、関係者のプロフィールや当時の地図の確認が中心です。それだけで、既存の伝記の間違いが山のように出てきた。

 かつて、僕が《ドービニーの庭》をモチーフに作品を書いたことをお知りになった広島美術館の方から、人づてに、美術館の目録を賜りました。ちょっとした勲章のように感じています。あの美術館は、佇まいからして実に美しく、所蔵品も素晴しいので、広島においでの方はぜひお立ち寄りください。

 という、ひろしま美術館の宣伝でした(やや嘘)。
 でもね、槐多にせよドービニーにせよ尾崎翠にせよ、自分の微力なりとも正当な評価につながるかも……という感覚が、僕はもっとも好きなようです。僕自身は、べつに消えてもいい。世の中、実もないのに名を残したい人ばっかりじゃないですか。そんな競争は御免です。
 もっと、こう、美しい音色とか、心安らぐデザインとか、人が考えるべきことっていっぱいある訳ですよ。あるいは、美の探求が仕事である人間の、贅沢を申しているのかもしれません。しかし、人間、それだけで生きられるんだという美しい現実を、僕は皆川博子や金子國義から学びました。しんどいから若い人にお薦めはしませんが、本当にあるんだ、ということのみ、ここに遺言のように書き置いておきます。

 下の書込みで二階堂奥歯に触れたりしたから、変に勘ぐられるかもしれませんが、僕はべつだん元気ですよ。いい歳(今年で三島の享年)だし、そろそろ本音の本音を表明しまくってもいいかなと思っているだけ。
 では。
 

若い語法

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 3月25日(水)05時02分56秒
編集済
   業務連絡。ひどい風邪にて思考が散漫です。一切が停滞しています。明日はすこしましかな?
 七、八年不調に耐えてきた電話機、ついに新しい品を注文しました。これまで周囲にご迷惑をおかけしました。

 なんとなく二階堂奥歯を検索してみました。昔よりたいそう有名でした。きっと有名になりたい子だったと思うから、よかったね。若い、不思議な語法で書かれたブログを、だいぶ読みました。本質に触れようとはせず、ひらひらと蝶のように、綺麗、綺麗、と云われたいばかりのそういった調子を、僕はあまり好きではない(それを「新しい詩情」と錯覚して群がる、汚らしい蛾のような感性よりはましですが)。
 良い意味でぶきっちょな読書家であった奥歯さんは、それを懸命に避けていた。この点、僕はおおいに君の文章を評価します。君はじつに自分のことを好きな人だったと思うが、人(見て呉れ)よりもその作物(魂)を上とする美徳を曲げることはなかった。

 小説の現状がもどかしく、時々、少しでも読んでくれる人があるなら、「幻想小説作法」講座のブログでもやってみようかという悪心が起きます。なぜこうも迷走するのだろうと嘆息するにつけ、そんなものでも世に有用かもしれない、と。
 最も怖いのは自分が途中で飽きることなので、今のところ思い留まっていますが。

 ただ散漫に、つらつらと。
 

きらら

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 3月22日(日)14時35分14秒
   アラビクご店主が告知くださっているとおり、津原公開インタビュー(主催:小学館きらら 於:書肆アラビク/大阪中崎町)がWEBきららにて公開、同内容が掲載されたきらら本誌も発売されています(二百円也)。
 お客さんからのご質問も反映されていますので、ぜひぜひお読みください、とのメッセージを担当編輯者から預かりました。これは皆さんとの合作だなと、僕自身も思いました。感謝いたします。

 独特な場の効用で、普段のインタビュー記事とはだいぶ趣のちがう、まさに「読者(書店さん)の疑問に答えた」率直な内容となりました。記事にダイジェスト感があるのは、実際のインタビューが楽しく、つい長引いてしまったからです。そのわりに生真面目なことばかり喋っているのは、僕の性格故です。勘弁してください。

http://www.quilala.jp/

 

きららインタビュー!

 投稿者:アラビク店主  投稿日:2009年 3月20日(金)16時51分48秒
   アラビク店主です。
 2月11日に大阪の書肆アラビクで開催された津原先生の公開インタビューですが、小学館「きらら」サイトにて公開されました! 1時間30分に及ぶインタビューでしたが、編集者の松田さんがエッセンスをうまくまとめてくださっています。
 掲載誌である「きらら」4月号は今日あたりから大型書店に置かれ始めているようです。どうぞご覧ください!

http://www.quilala.jp/from_bs/interview.html

 

anan

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 3月15日(日)13時14分43秒
   訳あって通信環境劣悪なため、すみません、また要件のみ。
 マガジンハウスのananが『たまさか人形堂物語』をご紹介くださっています。インタビューもあり。御高覧ください。
 

お待ちしてました

 投稿者:KEI  投稿日:2009年 3月12日(木)22時04分51秒
  ワクワクドキドキ、早く先を続けてくださいね−とプレッシャーとかける読者なのであった・・・・・

http://jikenkisya.blog.ocn.ne.jp/

 

『琉璃玉の耳輪』第14回

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 3月11日(水)16時03分24秒
編集済
   私事により少々ペースが乱れましたが、『琉璃玉の耳輪』第14回、無事公開と相成りました。今後とも宜しくお願い致します。

http://www.basilico.co.jp/basilicobasilico/tsuhara/index.html

 

行っとけアラビク

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 2月20日(金)09時22分55秒
   津原の公開インタビューは終わりましたが、関西では本当に珍しい、本格的な創作人形の宴に加え、レギュラー展示販売物も(金子國義の油絵に代表される)、これまで関西では、まずお目にかかれなかったものばかりです。画伯が、近年の代表作とも云える素敵でコミカルな画を貸し出されている(もちろん買えます。たった1●0万で)ことからも、アラビクさんへの思いの深さがうかがい知れます。四谷シモンのデッサンも、本当に「綺麗!」「可愛い!」。いまさら胡麻を摺る必要などどこにもない僕が云うのですから、確かです。

 今期の主役たる人形たちへの、身も蓋もない感想を述べますと……。
 安い。値段が。嘘みたいに。
 創作一辺倒の人達がお金に興味が無いのは自明のことなんですが、俺にして「年金払ってる? 将来大丈夫?」と心配したくなる程の価格設定であります。しかも、数年後には日本の創作人形の代表格たりうる傑作がごろごろ……。
 会期もあと数日。関西在住の目利きは絶対に行っときなさい、と自信を持って申し上げられます。味気ない云いようですが、ああいった人形、今が底値なのかもね。「蒐集しない」というポリシー(持てば、記憶できない。それが創作に差し障るような気がして怖いのです)なかりせば、僕にして買いまくっていたでしょう。実際、ちょっとした楽器一本の予算で、どれだけ買えることか。

     ***

「人形がたり 〜たまさか人形堂より〜」は、珈琲舎・書肆アラビク/Luftの企画する人形展です。

会期 2月5日(木)〜23日(月) 13:30〜21:00(日曜〜20:00)
    水曜定休(水曜イベント開催時は開廊)

会場 珈琲舎・書肆アラビク/Luft
    大阪市北区中崎3-2-14
    tel/fax 06-7500-5519
    http://www.arabiq.net/
    地図:http://www.arabiq.net/about.html

協賛 東京創元社,文藝春秋社,HAZEKI Office,乙女屋

※人形の販売について
 展示の人形はお買い求めいただけます。会期開始の2月5日(木曜)より8日(土曜)までを抽選受付期間とし、以降は先着順となります。

http://arabiq.jugem.jp/

 

Kajima詳細

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 2月 4日(水)07時50分44秒
   ギャラリーバーKajimaの本多正一展に、津原泰水バンドがゲスト出演します。
 ホームページの無い店なので、これといったリンクができません。もし迷われたら、電話でお店にお問い合わせください。
 JR線有楽町駅からも地下鉄銀座駅からも、歩いてすぐです。
http://www.ekiten.jp/shop_156701/

 津原バンドの出演は、2/7と2/14の両土曜日。入場料は五百円ですが、「楽しい!」と思われましたら、まわってきた帽子にオヒネリをお願いします。それが僕らのギャラ(飲み代)です。
 お店の状況にもよりますが、19:30〜20:00くらいから、一時間程度の演奏を予定しています。
 2/7はヌートリアスで好評のJEANがリードギターを務めます。津原との、まるで兄弟のようなコンビネーションにご期待ください。2/14は更に、スーパーマンドリニスト竹内信次氏によるサポートが確定しています。
 本多くんは「作家のバンドで賑やかし」と思っているかもしれないけれど、俺がそんな程度ですますわけないじゃん。僕はともかくサポート陣は恐ろしく巧いので、「聴きにきて損なし!」と保証できます。神業の域です。

 写真展自体、大好評のようで、金原瑞人氏が偶然に立ち寄られ作品を買われたとか。娘さんには帯文でお世話になりました。
http://www.kanehara.jp/blog/index.htm

 2/11は大阪で「人形がたり展」と、なんだかギャラリーづいております。
 

間に合う!

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 1月31日(土)09時13分12秒
   訳あって旅の途上。やっとネットに繋がった。
 明日2/1はヌートリアス@渋谷屋根裏です。演奏は午後八時半より。ライヴ自体は毎晩七時には始まっていますが。
 出られないかと思ったよ。なんとか間に合いそうです。
 結果、ツインボーカル、ツインギター、ツインドラム、キイボードとベースの、フル・ヌートリアスが実現。お運びください!

 書肆アラビクのイヴェントについても、いろいろと動きが生じているようです。ダイレクトメールのデザインが凄い。
http://arabiq.jugem.jp/?eid=261

 創元SF文庫にて、大森望・日下三蔵共編『年刊日本SF傑作選』(仮)なる強力な企画が準備中だとか。ジュディス・メリルの名アンソロジーは、ぼろぼろになるまで読んだなあ。
 過日、小説すばるに発表した「土の枕」を入れていただけるそうで、そうかSFだったのか。昔のSF定義はそうでした。読者がSFを感じたら料理本でもSF、みたいな強引な力に満ちていたものです。
 こういう目配りのきいた活性化計画は大歓迎。若鯉ラノベ作家が龍へと化ける場ともなったりすると、より嬉しく思います。
 

2月11日です!

 投稿者:アラビク店主  投稿日:2009年 1月22日(木)00時53分13秒
   大阪の書肆アラビク店主でございます。
 早速お問い合わせを賜っております津原先生の公開インタビューは、間違いなく2月11日の午後3時に開催予定です。インタビューは小学館の文芸誌「きらら」の人気コーナー「著者インタビュー」として実施されますので、その模様はのち、「きらら」に掲載されることとなるはずです。
 狭い店舗であり、かつ人形を展示している状況のため、入場に当たっては津原先生の著作(もしくはヌートリアスのCD)をご購入された方に整理券を配布する、というかたちになります。会場の狭さと人形は、津原先生の本音がいっそう、爆裂する誘因になるかもしれません。
 なお、遠方のお客様には電話でのご予約も受け付けております。下記連絡先にお問い合わせください。

お問い合わせ先
大阪市北区中崎3-2-14
tel/fax 06-7500-5519
E-mail cake[at]qa3.so-net.ne.jp

http://www.arabiq.net/

 

大阪行

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 1月21日(水)04時44分11秒
編集済
   トーキングヘッズのディヴィッド・バーンによる『True Stories』という素晴しい映画があり(ポール・オースター著、日本編集のエッセー集は、この映画をふまえ題されたものと察しえます)、その終盤、語り手のバーン本人がこう告げます。
「僕は忘れるのが好きです」
 僕も間違いなくその眷属なのですが、それゆえ社会生活に支障をきたしているのも事実。で、ウェブに積極的にアクセスし、皆さんに「そのときの津原」の証人となっていただこう、などと図々しいことを考えている次第なのです。

 大阪・書肆アラビクでのトークは、2/11(祝)と認識しています。詳細は、すみませんがお店にお問い合せください。個人的には本音全開爆裂の予定。なんでも関西の学生さんたちがおいでになる予定とかで、丁々発止のバトルすら楽しみにしておりますよ。本当。
 そんなことさえ可能な場って、十年前の十二幻想前夜祭以来じゃないかしらん。

『True Stories』はトーキングヘッズによるサントラ盤もあり、これまた奇蹟のような出来なので、ぜひぜひ御一聴あれ。僕は、バーンの得た豊穣に嫉妬しながら、2/1のヌートリアス、2/7、2/14の本多正一展に臨みます。
 小説家津原泰水の次のリリースは、たぶん初夏の『夢分けの船』です。ワーカホリックになるほどギターが巧くなる不思議。きっと僕はこうやって、ひたすらの修業のうちに死んでいくんでしょう。嬉しい。
 

本日ライヴ也

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 1月15日(木)14時38分37秒
編集済
   KEI様、御購入御高評に感謝。

 忙中の微妙な閑を利用して告知です。本日渋谷にてライヴ也。トリなので、お仕事帰りにもじゅうぶん間に合います。

ラヂオデパート
 津原泰水(Vo,G)/稲葉太朗(B)/奥野芳幸(D)/小山亜紀 (Vo)
http://wave.ap.teacup.com/radiodepart/

【青い部屋(渋谷)】03-3407-3564
http://www.aoiheya.com/
 日時:2009年1月15日(木)19:30start 23:00close
 前売:2,000円 当日:2,300円
 対バン:PRIME TIME、ヤカマキコ、アリエール・ロドン、【DJ】鳥井賀句
 ※ラヂオデパートはトリ、出演時間22:00〜です。

 名前リンクのアドレスにメールをくださいましたら、今後はメルマガ……という程のもんじゃありませんが、直接ライヴのお知らせを差し上げます。「行きはせんけど」という冷やかしも歓迎。

  ****

 二月、珍しく大阪で人前に顔を出します。東京以外では初めてかも。
 歓談の場も用意されているらしいので、ふるってお運びを。
http://www.arabiq.net/
http://www.arabiq.net/ningyo-info.html
 

たまさか人形堂物語

 投稿者:KEI  投稿日:2009年 1月10日(土)23時58分31秒
  何とももったいないことにもう読み終わってしまいました、津原さんらしくコワイところはもちろんあるけど、でも魅力なキャラとストーリーですね、これからも彼らとその店にいいことがありますように

http://jikenkisya.blog.ocn.ne.jp/

 

大重版

 投稿者:津原泰水  投稿日:2009年 1月 7日(水)04時44分27秒
   いったい何が起きているのかよく分からないのですが、文庫版『蘆屋家の崩壊』が大量に重版されます。初版を超える大重版です。
 税金を気にする大人はこういう事は書かないのが常なんですが、僕の収入ごときでは大した税金はかからないので、平然とご報告。
 二月頭からフェアにのせて書店に出回るようです。客観的に、悪くない出来の短篇集ですので、お買い逃しの皆様には是非。
 この文庫版には、親本に間に合わなかった「超鼠記」も。
 

ラッシュ

 投稿者:津原泰水  投稿日:2008年12月23日(火)18時11分34秒
編集済
   KEI様、タナカ黒姫様から思わぬ謝辞をたまわりましたが、じじつ『幻影城の時代 完全版』は売れているようです。Amazonぶんはとうに完売だとかで、なにしろ寄稿者である僕のもとにも未だ現物は届いておりません。圧倒的に数が足りないそうです。
 一連のこと、まんまと本多正一のもくろみに乗ってしまったような気もしていますが、なにせ良心的につくられた本ですから、売れてくれているとの儀、じつに頼もしく感じています。

 タナカ様がお書きのように、文庫版『綺譚集』(創元推理文庫)はすでに店頭に。いわゆる復刊もの以外としては、ひょっとして初、「版元をまたいで」完全な親本の縮小版を作っていただきました。集英社と東京創元社の関係者各位にふかく感謝もうしあげます。
「文庫版は新装丁で新しい読者を狙う」が常識なのですが、とりわけ『綺譚集』を僕は、装丁抜きでは語れない(語られたくない)、一種のマルチアートとして捉えています。アートディレクションも僕なら、キム・ストリングフェロー女史の写真がプリントされた絵葉書を長年保管し、ご本人と交渉していただいたのも、僕自身です。
 親本を買い逃された皆さんはもちろん、親本は持っているものの日頃のリファレンスには……という方々にも、ぜひ御高覧をたまわり、サイズ以外では親本のクオリティを保っていること、御確認いただけたらと存じます。各篇ごとの扉地紋も、先例をぶっちぎって再現。裏移りをふせぐ紙も慎重に選択していただきました。
 結果、文庫史にのこるほどの美しい文庫本が出来上がったと自負しています。石堂藍氏の解説も、お見事。ときに創元推理文庫の奥付には、未だ珍しく「検印廃止」が明記されています。なんとなく嬉しい。

『綺譚集』に対する当時の評価はこう。一応ね。
http://www.webdokusho.com/shinkan/0410/t_5.htm
 人生を賭した一冊への、津原が誰かも知らぬ人々のワイドショーライクな評価(一部)に脱力し、以後、僕は「本の雑誌」を買っておりません。『アクアポリスQ』の際に至っては、むしろ攻撃すべきメディアだとすら感じました。
 ちなみに彼らは僕らの本をネタにしながら、謝礼も謝辞もあったためしがありませんし、「書評します」の連絡すらありません。完全に闇討ちです。Amazonの一般読者の評価のほうが遙かに鋭いというのが、文芸評論の死に体を示していますかと。

 創元推理文庫では同時に、本当に偶然なのですが、佐々木丸美『雪の断章』が発刊されました。
 僕にとっては夢のような出来事です。かの天才の代表作と並べていただけました。
 しかも講談社文庫版を底本としたこの『雪の断章』には、僕がゆいいつ「先生」と呼ぶ作家・山村正夫の解説が再録されています。
 山村氏は「目から鼻に抜ける」タイプの作家ではありませんでした。しかし偉大な伯楽でした。今にしてようやく、その真価が僕の目にも見えてきました。彼抜きに、今の小説界は決して語りえません。
『雪の断章』の解説を再読するに、恐るべき懐のふかさを痛感します。凄い男でした。

『たまさか人形堂物語』の見本もあがってきました。一月の七、八日には店頭に出回ります。
 ある意味、俺の本? というくらい可愛い出来です。しかし、これでもし「津原泰水って読んだことないけど、どんな感じ?」という層が現れてくれたなら、書き手としては本望です。
 人形の修復をなりわいとする、小さく素敵なお店の物語です。
 短く読みやすい文章に、技量のかぎりをつくしました。まずは、津原やすみのファンでいてくださった方々に、是非。
 世界観は(よく読んでいただけば分かりますが)猿渡ものと繋がっています。シリーズが続けば、より交叉していくことでしょう。
 

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